空に虹が架かる時、私は君たちを思い出さずにはいられない

毎週水曜日のジャニーズWEST公式連載なにわぶ誌がいつの間にかメンバー持ち回り式になってた。

夢と現実の狭間で。

(2018年11月の記事です)

 

 

ジャニーズをデジタルに放つ新世代。

この言葉を耳にした事は無いものの、目にしたことのある人は一定数いるのではないだろうか。この言葉は、都内の駅構内に貼り出されているジャニーズJr.内のユニット、SixTONESストーンズ)の広告写真に書いてあるものだ。SixTONESYouTubeが世界各地で行っているYouTubeアーティストプロモキャンペーンに、日本のアーティストで初めて抜擢されたユニットである。

 ジャニーズJr.とは?と聞かれると世間の人達は、デビューを夢見て日々レッスンに励む少年たち、というイメージが一般化しており、実際最近までそれは事実であった。ところがここ数年で東京Jr.界隈では新たなグループが結成され、ジュニア戦国時代と言われるほどCDデビューの座を掴むための戦いが熾烈を極めた。私の好きな関西Jr.はユニット解体の方が顕著だったのだが、ジュニア戦国時代真っ只中である東京の彼らは彼らで、それぞれが自身の個性を模索しグループとしての特色をどう出すかで凄く悩んだはずだ。勿論個人が集められてデビューという道もあるが、元々あるユニットでデビュー出来る確率のほうが高いのに加え、結束力が深まれば深まるほどこのユニットで何とかデビューしたいと思い始めるのもまた事実だろう。

そんな彼らに突きつけられた現実は、正統派アイドル King&Prince(キングアンドプリンス、以下キンプリ) の華々しいCDデビューだった。結成当時はデビューに最も近いグループと言われていたキンプリだが一足飛びとは行かず、キンプリ主にKingが推されている状況であったが他のグループの活躍が目覚しく、実力差は拮抗していた。だからこそキンプリのデビュー発表と同時に、心のどこかで終わったなと思った。終わったというのは、Jr.の中でお兄ちゃん組と言われて活躍している20代のジュニアの大多数が辞めると思ったからであった。しかしそれを阻止するようにYouTubeにジュニアをメインに据えたチャンネルを開設した。ほんの1年前まで考えられなかったジャニーズのネット解禁。TwitterInstagramなどのSNSは勿論、ジャニーズ関連以外の舞台挨拶等のネット写真すらNGだった。今年に入って初めて写真のネット解禁が行われたのだが、これだけでファンとしてはとてつもなく凄いことだった。担当が主演の映画なのに、ネットニュースにアップロードされるのは担当が映っていない出演者陣の写真。今でも制限がいくつかあるが、これらの事はジャニオタや業界の中では歴史的な出来事だった。

ジャニーズJr.のYouTubeチャンネルで動画が投稿されだしてから、キンプリと並んでデビュー候補と言われていたグループそれぞれの目標が変わった事を知った。今まではCDデビュー一本を目標にしてきたが、キンプリがデビューしたことでジュニアとしてどう売れるか、デビュー組を越す新時代のパイオニアにどうしたらなれるか、そういう思いの方の方が強くなっているように感じる。

 

彼らは夢を持って事務所に、芸能界に入ってきた。入ってからのギャップもあっただろう。アイドルとしてどうしなければならないのか、思い悩み葛藤で枕を濡らした夜もあったかもしれない。しかし、私達はそれを知らないし知る術も持たない。

夢と現実の狭間で身と心を削ってきた彼らの終着駅がどこなのか、一緒に見れるといいなと心から願う。