空に虹が架かる時、私は君たちを思い出さずにはいられない

毎週水曜日のジャニーズWEST公式連載なにわぶ誌がいつの間にかメンバー持ち回り式になってた。

『いなくなる』って。

下書きに放置したままだったこの記事であるが、どうにも最近また『辞める』とか『退所』ということについて考えることが多くなった。いや、以前より突然表舞台からいなくなってしまうJr.なんてざらにいたのだが、数週間前に生放送されたベストアーティスト2015(以下べスア)のKAT-TUN田口淳之介のグループ脱退、事務所退所の発表にはこれまでにないくらい衝撃を受け、気持ちの整理も追いつかないまま泣いてしまったことが、更に考えさせられる要因となった。

『退所』という事実に関して、Jr.はじわじわと知れ渡る(というかファンが察する)ことが多いが、今回はデビュー組で尚且不祥事以外での脱退という珍しいケースである。ただどうなんだろう?べスアでの発表は最善であったのだろうか?正直私はその後の放送は気持ちが重くて涙は止まらないし、自担であるジャニーズWESTの「All my love」はほとんど記憶に無い。Twitterでは、櫻井翔がKATーTUNが後悔しないように(?)「責任は俺が取るから!」と裏で強く言って、今回のベスアでの発表になったという話も見かけた。その話の真偽はどうであれ、私はその後の放送は極めて楽しめなかった。そしてハイフン(KAT-TUNのファンのこと)と田口担の方の反応を見ることと、いつか担当グループから誰か脱退するのではないかと想像することが怖くて怖くてたまらなくなった。

私がそんな怖さに震えている中、ジャニーズ事務所の公式ホームページで事務所とKAT-TUN一人一人のコメントが掲載された。このコメントには読み手それぞれに思う所があると思うが、私は事務所のコメントに「最悪解散も有りうるぞ」という深読みをせずにはいられなかった。僅かでもある可能性を安易に否定出来ないのは分かるが、これではファンの不安を煽る一因となるのではないかと思った。一番重要であるメンバーのコメントに関しては、説明不十分な気がした。いや十分と言えば十分であるが、なにか物足りなさを感じてしまのは、きっと脱退・退所の具体的な説明がないからなのだと気付いた。田口以外のメンバーは、理由を自分達が口にするのは筋違いだと思った上でのコメントであろう。だが当事者である田口本人は説明する義務、といえば語弊があるが、説明する責任は確かに存在すると外野である私は思う。いや、外野だから思うのかもしれない。私から見たKATーTUNは、メンバー2人の脱退で4人になった彼らの背中を、ファンが「後ろには倒させない。もし倒れることがあったとしても前に。」と、前進して次に繋げられるように後ろを守っているイメージである。デビュー当時は「俺達についてこいよ」全開の彼らに黄色い歓声を上げながら後ろをついていっていたファンが、わずか数年でファンもメンバーの一員という意味から呼ばれるようになったKATーTUNファンを意味するハイフンという呼称に相応しくなったと感じる。そんなファンに対して田口はどういうつもりなのだろう、という怒りさえ湧いてくる。

一方、突然の発表によるファンの戸惑いと説明不足の不満を感じた亀梨は、ファミリークラブにプライベートで現れ、訪れていたファンひとりひとりと握手して言葉を交わしたらしい。そこで、来年にKATーTUNのツアーがあるから来て欲しい、とか、これからも応援してね、と3人体制のKATーTUNに対して前向きな発言をしたという。田口がいなくなることは変わりないからせめて自分が出来ることを、という行動だったのだろう。亀梨の公式コメントやマスコミへのコメントには、「なぜ今なんだろう」「悔しい」という言葉があった。私は亀梨から出たこの言葉に強く共感した。

田口の退所理由は様々な噂が立っているが、真実は本人やその周りの近い人しか分からない。しかしながら当の本人は話す気は無いようで、たまに出る彼のドライな部分をあからさまに感じる。それでも田口担を筆頭とするハイフンは今まで彼にかけた時間とお金を否定することはしないだろうし(というか出来ない)、これからもほとんどのファンはハイフンを続けて、担降りしたとしてもジャニーズと離れられずに今までと同じような生活を営んでいくことだろう。結局ファンがしてあげられることや自担から受け取ることが出来る情報には限りがあって、その中で矛盾や心中の葛藤と戦って今回のことを受け止めて、田口を送り出してあげるのだろう。
果たして私に置き換えたとして、私は笑顔で自担を送り出せるのだろうか?




昔見た漫画に私の好きな言葉がある。
誰かが居なくなるってことは誰かが存(い)てくれるってことと同じくらいでっかいことなんだ  /  漫画「赤髪の白雪姫」第2巻収録読み切り作品「僕らをつないで。」より)
幼い頃は難しかったこの台詞も、今ならなんとなく分かる気がする。